天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

あじさい祭

足柄上郡開成町の農道にて

 今年も神奈川県足柄上郡開成町に行ってきた。毎年見る情景は同じなのに、この時期になるとどうしても行ってみたくなる。古民家の瀬戸屋敷では、良寛の一生の絵解きや人形芝居の道具の展示がされていた。


     枇杷の実の群るる梢に蛙鳴く
     古民家の水車が回る栗の花
     芋洗ふ音たからかに瀬戸屋敷
     アナベルは白き紫陽花畦に添ふ
     紫陽花の里に雉啼く朝かな


  早苗田に人を恐れぬ鴨ゐたり足柄上郡あぢさゐの里
  農道に沿ひて流るる灌漑の水音たかきあしがりの里
  早苗田に映る山影黒ければ色艶ませる畦の紫陽花
  農道に地産の野菜ならべ売る開成町のあぢさゐ祭