天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

バッハを詠む

バッハの肖像画

 バッハ一族は、数多くの音楽家を世に出した。中でもヨハン・ゼバスティアン・バッハは、西洋音楽の歴史に、最も重要な功績を残した偉大なる音楽家であるということから「大バッハ」と呼ばれた。
「G線上のアリア」「ブランデンブルク協奏曲」「アヴェ・マリア」などよく知られた曲は多い。


  すでに世の移り変りにかかはらず朝は聴き入るバッハの
  楽(がく)に               筏井嘉一


  待つものを今知らざれば静けさにバッハの弦の老いのときめき
                      近藤芳美
  音盤の世に残るこそさびしけれグレン・グールドのバッハ
  流れて                 水沢遙子


  郭公の啼く聲きこえ 晩年のヘンデル盲目バッハ盲目
                      葛原妙子