光(1)
発光体から発する光線やその反射で視覚に感じるものがある。光には色もあり、明るさ、輝かしさ、美しさ が感じられる。
倉橋の山を高みか夜ごもりに出で来る月の光乏しき
万葉集・間人大浦
月よみの光を清み神島の磯廻(いそみ)の浦よ船出すわれは
万葉集・作者未詳
春の日の光にあたるわれなれどかしらの雪となるぞわびしき
古今集・文屋康秀
光なき谷には春もよそなれば咲きてとく散るもの思ひもなし
古今集・清原深養父
久かたのひかりのどけきはるの日にしづ心なく花のちるらむ
古今集・紀 友則
光待つ枝にかかれる露の命消えはてねとや春のつれなき
新古今集・源 高明
照る月も雲のよそにぞ行きめぐる花ぞこの世の光なりける
新古今集・藤原俊成