天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

テレビ(2)

わが身辺から

 東日本大震災で神奈川県でも計画停電になった時、ラジオだけの情報では心許ないので、わざわざワンセグ・テレビを購入した。ところが窓際に置かないと映像が入ってこない。スティックのアンテナを回転させたりチャンネルつまみを微妙に調整したりして映りのよいチャンネルだけを見ていた。
 ワンセグは、日本において主に携帯電話などの携帯機器を受信対象とする地上デジタルテレビ放送のことで、正式名称は「携帯電話・移動体端末向けの1セグメント部分受信サービス」という。


  夜ぞら今金属よぎりゆくならむテレビ画面の菜の花乱る
                     高野公彦
  雪富士をテレビは観しむ日本の日本たる呪力ここにあるごと
                     築地正子
  地鳴りして小さく揺れたる数分後テレビの字幕震度二と出る
                     神作光一
  吾を社会につなぐテレビとふ小箱より世界の惨事日毎噴き出す
                    富小路禎子
  戦争を消せばしづかなテレビなり膝抱へゐるわたしをうつす
                     小林幸子
  それぞれの部屋に分かれて妻とわれ見ているテレビに同時に笑う
                    千々和久幸