天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

紅葉狩―源氏山―

鎌倉・源氏山公園にて

 昨年は鎌倉源氏山公園の紅葉を見逃した。今年はなんとか見定めたいと強風の去った朝に訪ねた。JR鎌倉駅下車、壽福寺墓地の裏道から源氏山に登った。銀杏の黄葉が頭上にまぶしく、また地面に散り敷いて踏みしめるのがためらわれるほどである。教師に付き添われた中学生たちが風景を愛でることなく騒ぐのが腹立たしかったが、まあ健康にはよかろうと気を取り直した。源氏山から下りて海蔵寺に寄った。山門前や鐘楼横の紅葉が見事であった。庭の一隅に竜胆が咲き始めていた。


     落葉掃く媼頭上のもみぢかな
     山茶花の枯れて散り積む墓地あはれ
     墓無惨山茶花散りて腐れたる
     天地(あめつち)をおほふ銀杏や源氏山
     朝日さす海蔵寺道笹子鳴く
     竜胆の咲く苔庭や海蔵寺


  ひと時のさくら紅葉を見むと来し山に座れる頼朝の像
  頼朝の像を囲みて燃え立てり満天星躑躅(どうだんつつじ)の
  赤きもみぢは


  生徒らは紅葉を愛づることもなく弁当開きわいわい騒ぐ
  年輪を数へてみれば百越せり路傍に残る銀杏切株


 帰宅してからスミノフウォッカの封を切った。いつもはバーボンや芋焼酎を飲んでいるので、たまに飲むと新鮮。もっぱらロックにするが、ウィスキーより少し甘みを感じる。


[注意]ご紹介している情景には、一週間程度の時間差がありますので、
   行かれる場合には、現地の状況を別途チェックして下さい。