牛（２）

　百科事典で少し詳しく調べてみよう。牛は偶蹄目ウシ科の哺乳類で、広義にはスイギュウ属、ヤギュウ属を含めるが、普通はウシ属、特に家畜牛を指す。家畜としての起源は、新石器時代という。ヨーロッパウシとコブウシの２系統がある。和牛はコブウシの系統。

　　われを見てなくよ仔牛の口あけて口のなかに見ゆる
　　たんぽぽの花　　　　　　　　　　　　　吉植庄亮

　　夕なぎさ子牛に乳をのませゐる牛の額のかがやけるかも
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　古泉千樫
　　青泥水にくびまでつかる水牛のまなこは動くわがゆくかたに
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　橋本徳寿
　　黄牛(あめうし)もホルスタインも濡れながら寺院のやうに
　　しづかに跪坐す　　　　　　　　　　　生方たつゑ

　　たかぶれる牛引き分くるとその角に取りつきし勢子の
　　引きずられゆく　　　　　　　　　　　　石黒清介

　　ゲルニカの牛昏(くら)き目をみひらけりデモ隊街にもつ
　　勝利の錯誤　　　　　　　　　　　　　馬場あき子