凩は晩秋から初冬にかけて吹く北西寄りの強風だが、冬の季節風としては、北風がある。凩よりも激しい。俳句では、凩とは別の季語になっている。
音にのみ夜の木枯を聴きゐたり少年の聡き耳は還らぬ
鈴木英夫
木枯しのある夜別れき また逢ひき 年経て君の妻となりにき
小野光恵
木枯しの騎馬軍勢の乗り越ゆる都市あり街は一夜煌たり
西村 尚
音ながく引く木枯をひきつれて行こうか村のあるところまで
岡部桂一郎
こがらしは流星まじへ芭蕉葉の影くらきうへどつと越えたり
小中英之
こがらしの奏楽堂にさそはれてスカルラッティのうたを
ききゐる 小池 光