天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

砂の歌(4)

鳥取砂丘

 砂の集合には別の名前が付くことがある。砂漠、砂丘、砂塵 など。


  限りなくうち捨てられし砂漠(デザート)に夕日流るれば
  わが如くにて           中河幹子


  恍として沙漠を馳る 炎熱に透明となりわれは運ばる
                   森村浅香
  おのずから風あつまりて日のくれの砂嘴(しやし)洗いいる
  みずがねの漣(なみ)        水落 博


  ゆるやかに流るる沙を踏みゆけり人はたやすく消ゆるとおもふ
                   小國勝男
  バビロンのくらく晴れたる炎天に滅びをいそぐ砂の音きく
                    篠 弘
  吹きしまく砂塵にまなこ閉ぢをればめくれてゆけり野原一枚
                   大西民子