砂の集合には別の名前が付くことがある。砂漠、砂丘、砂塵 など。
限りなくうち捨てられし砂漠(デザート)に夕日流るれば
わが如くにて 中河幹子
恍として沙漠を馳る 炎熱に透明となりわれは運ばる
森村浅香
おのずから風あつまりて日のくれの砂嘴(しやし)洗いいる
みずがねの漣(なみ) 水落 博
ゆるやかに流るる沙を踏みゆけり人はたやすく消ゆるとおもふ
小國勝男
バビロンのくらく晴れたる炎天に滅びをいそぐ砂の音きく
篠 弘
吹きしまく砂塵にまなこ閉ぢをればめくれてゆけり野原一枚
大西民子