天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

鎌倉の花海棠

鎌倉・妙本寺にて

 桜の花にばかり目をとられていたが、鎌倉では海棠の花が満開になっている。以前にこのブログで何回か紹介したが、このところ忘れていた。NHK・Eテレ「美の壺―鎌倉の花寺」を見て、あらためて行く気になった。
 海棠のある鎌倉の寺として十カ所ほどが紹介されているが、私が過去に訪問して確認したのは、海蔵寺、妙本寺、光則寺の三カ寺。今回も海蔵寺と妙本寺を訪ねた。とりわけ妙本寺の花海棠は見事であった。


     鎌倉の駅を出づれば初つばめ
     花嫁が導かれくる花海棠
     海棠の花に頬染む新婦かな
     絵筆とる花海棠の朝かな
     妙本寺花海棠に絵筆とる


  何鳥か近き梢にさへずりて妻を求むる海棠の花
  付き添ひに導かれくる花嫁の顔があからむ海棠の花
  海棠の花さかりなる境内に花を散らせる山桜花
  海棠の花咲く庭に腰据ゑて翁がひとり絵筆はしらす