天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

新春の鎌倉寺社めぐり

鎌倉・八雲神社にて

 今年の新春は、例年に比べて随分あたたかい。横浜や鎌倉には去年暮れから大寒になっても雪は降らなかった。鎌倉の名所には、海外からの観光客が多い。団体で観光バスでくる人達もいれば、家族旅行の形もあるようだ。年も明けたことだし、定番の散策ルートを歩いた。極楽寺成就院、御霊神社、長谷観音、光則寺、大巧寺、妙本寺、ぼたもち寺、八雲神社安国論寺本覚寺 などである。


     蝋梅の下にゑまへり布袋尊
     大寒に耐へ袂石(たもといし)手玉石
     淑気満つ松葉ケ谷の御小庵
     新年の開運祈願手玉石
     新春の朝市に買ふうどん玉
     大寒のこゑ勇ましき人力車
     大寒の外人のせて人力車
     大寒の波待つサーファ黒々と


  春の日は夫婦銀杏を透きてくる袂石にも手玉石にも
  珍しき名前なりける蛇苦止堂横に局のとび込みし井戸
  頼家の嫡男なりし一幡(いちまん)の廟所にいまも花鮮しき
  大寒の神社に来たる人力車写真撮るときウヰスキーと言ふ
  大楠の根方にふたつ手玉石開運厄除け祈願の神社
  見上ぐれば「師孝第一」の額かかる日朗上人御荼毘所の堂
  薄闇に焼棒杭(やけぼつくひ)と供養塔見えて身にしむ御荼毘所の堂
  やどり木が幹にとりつく栴檀(せんだん)は真裸にして空を隠さず
  いとほしき人形なれば焚上げて灰を納むる人形塚に
  波を待ち沖見て立てるアザラシの肌へを濡らす大寒の日は