三光鳥
いかる、斑鳩(いかるが)とも呼ぶアトリ科の鳥。北海道と本州の丘陵地から山地の広葉樹林に生息。昆虫や木の実などを食べ、身は果肉をむき、殻や種子を嘴で割り核を食べる。鳴き声が「つき、ひ、ほし」と聞こえるということから三光鳥の名前が付いた。
三光鳥帯解き放つ宿院に 小坂順子
三光鳥あそべる樹々の暗さかな 森田 峠
移り来て夕さびしみ膝行いづるはしゐにきけば斑鳩のこゑ
岡 麓
昨(さく)の朝鳴きし斑鳩(いかる)も来ずになり春は暮れゆく
人みなひとり 北沢郁子
若夏の光みなぎる空ふかし斑鳩(いかる)は何をつげて高鳴く
岡野弘彦
きみよあしたの雲雀料理を思はずやいかるがのなくこの七月を
山中智恵子
斑鳩(いかる)きてぽぽうと鳴けば幾時代過ぎたるならむ頬づゑ
をとく 川野里子