天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

正月ぼたん

連鶴(ぼたん園にて)

 神奈川県の年末年始は晴天が続いて外出には都合がよかった。4日も過ぎれば鶴ケ丘八幡宮の初詣客は少なくなるであろうと考えて出向くことにした。しかし、JR鎌倉駅はごったがえしており、若宮大路の段葛には延々と人の列ができている。八幡宮の正殿までたどり着くには、えらい時間がかかりそうなので、お参りはあきらめて牡丹園に入る。正月ぼたんという貼りだしだが、島錦、新日月の二種類が大半を占めていてもの足りない。唯一、連鶴という白牡丹は、花弁の先がとがっていて清々しい印象であった。
 斎館側から出たところに白梅が咲いていた。写真を撮ろうとカメラを向けると、小さな目白が一羽、しきりに蜜を吸っていた。源平池周辺には、沢山のカモメ、鴨、鳩などが集まって、騒いでいた。


     終活に入ると書かれし年賀状
     奇岩置く湖石の庭の寒牡丹
     白梅の蜜吸ふ目白余念なき


  三が日家にこもりてあそびけむ猫が出歩く青葱畑
  人混みをさけて訪ひけり鶴ケ丘寒ぼたん園正月五日
  島錦、新日月の二種類が大半なりき寒ぼたん園
  島大臣、貴婦人、聖代、島錦 妍を競へり湖石の庭に
  鳩、鷗、鴨ら集ひて啼きわめく八幡宮の源平池に
  ひさかたの光まぶしき白梅に目白きたりてしきり蜜吸ふ