天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

貉(むじな)

奥多摩に棲むムジナ(NHKテレビ「ワ

 アナグマの異称でありタヌキの方言とも。食肉目イタチ科で夜行性。鼠や果実などを食べる。長いトンネルを掘って棲み、冬眠もする。その毛は固く筆やブラシに活用される。


  メガロポリス山川草木うづめむをぶらぶらとわれ
  毛のなきむじな           坂井修一


 この歌の上句が分りにくい。助詞が省かれていて、「埋めむ」の主語が曖昧なのである。メガロポリスは巨大都市群のことだが、それが主語なのか目的語なのか。常識では、山川草木がメガロポリスを取り囲む、メガロポリスが山川草木に埋まる、となる。