天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

佛日庵の白木蓮

北鎌倉円覚寺にて

 街路樹の辛夷の花が、桜に先立って満開になっている。辛夷の別名は「田打ち桜」。近所の辛夷の花を見ると現在の住所に移って来た昔を思い出す。
先に遊行寺の白木蓮を見たので、円覚寺佛日庵の白木蓮の状況が知りたくなった。毎年の習慣になっている。北鎌倉の駅から円覚寺側の山を見ても桜の花の気配はまだない。円覚寺の境内では梅の花は終り、三椏の花が咲き始めているくらい。境内のあちらこちらで工事をしていて落ち着かなかったが、佛日庵の白木蓮は見事に咲いていた。
なおハクモクレンもコブシもモクレンモクレン属の落葉広葉樹の高木である。違いは花の形と咲き方にある。


     付き合ひは四半世紀に幤辛夷
     越して来し日を思ひ出す幤辛夷
     円覚寺今年も逢ひに白木蓮
     にじり寄る佛日庵の白木蓮