歌まくらー西行の場合(5/7)
鶉鳴くをりにしなれば霧こめてあはれ淋しき深草の里
[難波]大阪市を中心とした周辺の地域。「津の国の」枕詞を伴うことが多い。
津の国の難波の春は夢なれや葦の枯葉に風渡るなり
[三島江]大阪府高槻市・摂津市・茨木市の淀川沿岸の地。三つの中州があった。
風吹けば花咲く波のをる度に桜貝寄る三島江の浦
[信太の杜]大阪府和泉市、信太山の杜。葛の名所。葛の葉姫の伝説で有名。
ものおもへばちぢに心ぞくだけぬる信田(しのだ)の杜の千枝ならねども
[水無瀬川]大阪府三島郡島本町広瀬の地を流れる。後鳥羽上皇の離宮がある。
水無瀬河をちの通路水満ちて船渡りする五月雨のころ
[野中の清水]兵庫県印南野の歌枕
昔見し野中の清水かはらねば我がかげをもや思ひ出づらむ