天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

雪の鎌倉

雪の長谷大仏

 天気予報どうり雪が降って、夜明けの窓から見ると既に積もっていた。雪の吟行ルートはまた格別であろうと、江ノ電に乗り、極楽寺長谷寺、光則寺、長谷大仏、甘縄神社、鎌倉文学館とたどった。咲いたばかりの蝋梅にまた椿に、積もった雪は目にしみて新鮮であった。


        鵠沼のレトロ江ノ電雪の朝
        江ノ電や雪の垣根の間近なる
        天地(あめつち)にこころ踊るや今日の雪
        鎌倉へ極楽寺坂雪が鳴る
        雪降るやあかり点せる写経場
        線香のけむりただよふ雪の寺
        あかあかと雪に耐へたる椿かな
        初雪や店の風鈴さんざめく
        初雪や色よみがへる枯れもみぢ
        雪積むや美男にをはす歌碑の木々
        大仏の背の窓暗し今日の雪
        お供への橙に積む今日の雪
        鎌倉や雪の客待つ人力車
        文人の書画見る雪の文学館
        裸婦像のまなざし暗き雪帽子