天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

早春の鎌倉長谷

素心蝋梅(長谷寺にて)

 年明けて定番の散策ルートの一つを歩いた。江ノ電極楽寺に行き、そこから御霊神社、長谷寺高徳院鎌倉大仏)とたどった。極楽寺では、ヤブツバキの花弁が散った製薬鉢に氷が張っているのが目についたくらいで、花らしきものは見当らなかった。御霊神社では、江の島七福神めぐりとして福禄寿が公開がされていた。鎌倉大仏では、正装のタイ人らしき女性が地面に額づいて礼拝しているのに驚いた。早春の花として、蝋梅、紅白梅、万作などで、長谷寺が一番の見どころであった。


     陽春の海面まぶしむ電車かな
     黒潮や初春の陽の黄金なす
     朱を隠す製薬鉢の氷かな
     福詣御霊神社は福禄寿
     犬つれて二礼二拍手初詣
     輝くや素心蝋梅阿弥陀仏
     大仏の修繕終る春あらた


  弁財天、聖観世音、阿弥陀仏 つぎつぎ拝む長谷寺の春
  紅白の梅に蝋梅、万作と心なごめるあらたまの春
  大仏と大仏殿の歴史読む地震(なゐ)に嵐にこぼたれし過去
  大仏の前にならびて写真撮る日本人も外国人も
  大仏の前の地面に額づきて礼拝深きシワーライの女(ひと)