天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

三寒四温

武田流馬術宗家

 今日は打って変わって寒い。三寒四温とはよくぞ言ったものだ。昼前の円覚寺境内では、空は晴れているのに、小雪がちらついた。北鎌倉の梅もまだ咲いていない。今年は天候が異常なのだろうか。北鎌倉といえば、昨日下曽我流鏑馬を披露した武田流馬術の宗家がある。現在の当主の姿を昨日の写真から右に紹介しておく。



  あかときの坐禅終はりし方丈にひときは高き賽銭の音
  時くれば固きつぼみの梅ヶ枝は咲きにほふらむ墓前に捧ぐ
  春浅き北鎌倉の寺に入り心やすけく墓地をめぐりぬ
  この国の蒙をひらきし哲人の墓をめぐりぬ北鎌倉に
  秀頼の息女と聞けど覚えなし駆け込み寺の天秀尼の墓
  
        三寒四温の寒に出会へり円覚寺
        白足袋が床ふんまへる弓道
        選佛場三寒四温のあかりかな
        谷戸いまだ硬きつぼみの幣辛夷
        蝋梅や山門に入る下駄の僧
        早春の寺の竹伐る漢かな
        洪鐘(おほがね)の撞木われたり冬欅
        春浅し墓をたづぬる松ヶ岡
        梅の花のあかりや松ヶ岡