天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

海荒れる

冬潮

 江ノ島の海は朝から荒れていた。風も凄まじい。新築の片瀬漁港の堤防に少し出て見たが、波飛沫でとても先端に行けたものでない。江ノ島寄りの弁天橋の上にも飛沫がかかっていた。この強風にも関らず晴天なので、正月はじめの参拝の人出は多い。とはいってもまともに拝礼している人は極めて少ないが。
石段を上り下りして、昨日一日家でごろごろしていて溜まった脂肪が少しはとれただろうか。


  才能に国をゆだぬるほかなけれ吹雪にくらむあらたまの不二
  ひもろぎの鏡が映すあらたまの空にそよげる楠のしげり葉
  ひもろぎの木々を映して鎮もれるおほき鏡を人は拝めり
  冬潮の毛羽立つ海に走り出づ羽根のはかなき
  ウィンドサーフィン


  限りなく寄せてはしぶく冬潮の波頭さみしき恋人岬
  せはしなく街道ゆける人の世に笠をあみだの富士見西行