天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

江ノ島の石碑

山県有朋の歌碑

 江ノ島には多くの石碑がある。顕彰碑や漢詩の碑も多いが、以下には歌碑と句碑にある作品をあげる。全てではないしよく知らない人もいる。


  越えはまた里やあらむと頼みてし杖さへをれぬ老のさかみち
                     山県有朋
 児玉神社の参道入口にある。児玉源太郎が逝去した日に詠んだという。
  さながらに生けるが如く見まつりぬ御神ながらも肌ゆたかなり
                     沼田頼輔
 裸弁財天の美しさを讃えた歌である。
  沖つ風吹けばまたたく蝋の灯に志づく散るなり江の島の洞
                    与謝野晶子
 岩屋洞窟の入口に2002年に建てられた。尾崎左永子の書である。
ちなみに与謝野晶子江ノ島に遊んだ時の歌に、次のものもある。
  江の島や蘭の花ほど青みたる波がしら立つ桟橋のもと


     さし潮の香を抱く島の霞哉    間宮霞軒
     貝がらも桜の名あり島の春    福村漁村
     沖へ沖へ水脈太く曳く初霞    青木泰夫
     夏富士や晩籟神を鎮しむる    高木蒼悟
     疑ふ那潮能花も浦乃春       芭蕉
     桟橋に波戦える時雨かな    永瀬覇天朗