天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

初秋の江ノ島

江ノ島沖

 突堤の釣りでも秋らしく少し大きめの魚が釣れ始めた。更に秋が深まると、鰯や鯖などが釣れるようになるはず。ただ沖をゆく白いヨットの群は、真夏の陽炎に霞んで見える。


  浜にきてショートパンツにむき出しの
  ま白き脚に虫除けを塗る


  江ノ島が陸とつながる引潮の汀をあゆむ
  かもめ、白鷺


  波立たぬ今朝の片瀬のやるせなしサーフボードに
  立ちて櫂こぐ


  釣舟の帰る港を後にして沖をめざせる
  ウィンドサーフィン


  こませ撒きしばらく待てば竿たはむ女の悲鳴
  釣り損じたり


  おほかたは実をむすびたるハマナスの風にそよげる
  ひとつ白き花


  はためきてヨット出でゆく江ノ島の海を蹴立てて
  警備艇くる


  切岸の上にそよげる朱の色は菅草の花潮風が吹く


  四、五本の花の一束買ひもとめ急ぎ足なる女を見たり