天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

しもつけ草

しもつけ草の花

 紫陽花の季節の三番目の行動パターンは、江ノ電極楽寺駅で下り、極楽寺成就院、権五郎神社、長谷寺、光則寺 と逍遥すること。殊にも成就院の坂道と長谷寺の山道の紫陽花は、よく知られている。
 極楽寺参道は、桜の青葉で鬱蒼と暗い。桜の実が地面に落ちて赤黒く染みている。


      実桜や落ちてむなしき石畳


極楽寺を出て成就院に向う。


      つばくろや車庫のシャッター閉めきれず


残念ながら、今年は成就院の紫陽花が縮小されていて見所はなかった。権五郎神社から長谷寺に向う路地では、時計草が咲き、小判草が花穂をたくさん出していた。
平日なのに長谷寺はとんでもない人出であった。老人、主婦、生徒ら が境内にあふれている。禁止なのに、道に三脚を立てて写真をとろうとする老人たちを目にすると厭な気分になる。


      背を向けて写経するなり花菖蒲


早々に長谷寺を後にして、光則寺に行く。ここも花の寺と呼ばれて様々の花を見ることができる。今回は、バラ科の落葉高木のななかまどの花と バラ科多年草のしもつけ草の花を見つけた。いずれも初見であり出かけてきた甲斐があった。なお池の裏手の小屋には、長生きの雄の孔雀が一羽いて、時折奇妙な声で啼いて客を驚かす。


      長生きの孔雀の声や額の花


 ちなみに、孔雀の寿命は二十五年という。