天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

寒牡丹

鶴ヶ丘八幡宮ぼたん園

 鶴ヶ丘八幡宮では、この時期、ぼたん園が開く。入園料が五百円なのはちょっと痛い。
普通に牡丹といえば夏の季語だが、厳冬に花を咲かせて鑑賞するのが寒牡丹である。冬牡丹、冬深見草ともいう。



      かうかうと風は過ぎゆく寒牡丹 丸山哲郎


  さきくさの三つの蕾の一つのみ花になりたる冬深見草
                     伊藤左千夫
  いくばくの心たのしき紅一花寒牡丹藁におほはれて咲く
                     前川佐美雄


左千夫の歌の初句「さきくさの」は、「なか」「三つ」などにかかる枕詞。漢字では、「三枝の」と書く。


      傘させる牡丹に雪の降りさうな