天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

かたくりの里

かたくりの群生

 神奈川県相模原市城山町川尻にある。日本かたくり三十万株、黄花かたくり三千株を有する首都圏随一の群生地という。橋本駅北口からバスに乗ってゆく。入場料は三百円。丘の斜面には、かたくりだけでなく、椿、菊花いちげ、猩猩袴、木五倍子、辛夷、三椏、ネコノメ草、ツツジ など様々の草木が生えていた。これらの詳細については、後日、個別に調べてみたい。


      かたくりの花咲く丘や朝日影


  きぶし咲き三椏も咲く丘にきて足ふみまよふかたくりの花
  うつ向きて朝の目覚めをはぢらへる丘のなだりのかたくりの花
  腹這ひてカメラ構へるその先にうつ向き咲けるかたくりの花
  発芽から花咲くまでに八、九年 蟻のはこべるかたくりの種子
  いかづちに昨夜(きぞ)おそはれて朝光(あさかげ)の丘に
  うつ向くかたくりの花


  かたくりの真白き花に出会ひたりいかづち去りし晴天の朝
  思はずも声あげて寄るをみならがデジカメに撮る黄花かたくり
  山道をあひ携へてめぐりけり老女(をうな)翁のかたくりの里  
  足音も声も消えたり夕されば花閉じねむるかたくりの花