天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

雷鳴と夜桜

鉄砲宿の夜桜

 二十五日の夜、東京ドームで行われたアスレチックスとレッドソックスの開幕戦をテレビで観た。レッドソックス開幕投手としてマウンドにあがった松坂の制球はままならず、初回にホームランを含めて2点を失った。顔面から首筋にかけて赤紫に染まっていた。その後は立ち直ったのだが、投球数の制約から、本人の意欲とは無関係に降板させられた。逆転逆転の結果、岡島が勝投手になった。
 松坂が登板している間、外では雷鳴すざましく雨がはげしく降った。夜の桜が稲光にうかびあがった。なおこれは、神奈川県下のこと。


      いかづちが闇を切り裂く桜かな
      たまゆらの花のすがたや夜の雷
      稲光夜の桜がにほひ立つ
      

  いかづちの閃光に浮くたまゆらの花の姿をかなしむなゆめ
  稲妻のひかりにうかぶたまゆらの花を想へり夜の寝床に
  すさまじき昨夜(きぞ)の雷雨に急かされて鉄砲宿の花咲き
  にけり