天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

花菖蒲(2)

鎌倉・明月院にて

 鎌倉で花菖蒲のみどころといえば、明月院になろう。それでさっそく出かけた。今日から有料開園とのことで、五百円払って庭内に入ったが、まだまだ莟が多く、花は少ない。明月院のパンフレットには、丸窓を通して見る菖蒲田が出ているが、今日はまだ早い。どうもせっかちにすぎるようだ。


      山鳩の羽根美しき竹の秋
      仏殿の軒先に生る雀の子
      柏槙の枝反り返る夏木立
      舎利殿谷戸の若葉の押し寄する
  
  うぐひすの声に聞き耳立ててゐる明月院の菖蒲のつぼみ
  垂直にうかび出できて息を継ぐお玉杓子の水面の口は