天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

六月の明月院

北鎌倉明月院の本堂奥庭にて

 世界中で異常気象になっている。アメリカ東南部では連日のように竜巻被害、フランスでは大雨でセーヌ川が氾濫しルーブル美術館が休館になるほど。日本列島はこれから梅雨に入る。震災跡地は厳しい対応を迫られる。こうしたニュースを見て、北鎌倉の明月院に出かけた。この時期、大変な人出である。紫陽花はまだ全開ではなかったが、本堂後庭園の菖蒲園(入園料は、別に500円要)は見頃であった。


     ほととぎす明月院谷戸を訪ふ
     追ひかけて谷戸啼きわたる時鳥
     円窓の奥にひろがる花菖蒲
     愚痴を言ふごとく啼くなり時鳥
     明月院円窓に見る花菖蒲
     お茶席や赤き躑躅の禅の庭


  いくつかの地蔵の前に飾りたり谷戸のやぐらを囲むあぢさゐ
  紫陽花の横に顔寄せ写真撮る見馴れし景色そこここにあり
  あぢさゐの明月院のほととぎす愚痴を言ふごと啼きわたるなり
  明月院お茶席に見る枯山水赤きつつぢの咲く砂の庭