天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

寒牡丹

鎌倉・鶴ヶ丘八幡宮にて

 真冬に咲く。冬牡丹、冬深見草 などともいう。藁や笠で囲って雪を避ける。牡丹の変種で、冬に咲かせるために夏咲きの花芽を摘除する。


      かうかうと風は過ぎゆく寒牡丹
                 丸山哲郎
      寒牡丹日月穹(そら)を駆けゐたる
                 河原枇杷
      冬牡丹人形箱を出でて見よ
                 長谷川かな女
      

  さきくさの三つの蕾の一つのみ花になりたる冬深見草
                     伊藤左千夫
  感にぶくなりゆく日日に凛凛とわれを圧しくる白寒牡丹
                     倉井みなみ
  冬咲きのこのひと花や牡丹花の紅(こう)を秘色と思ふ思はめ
                     雨宮雅子