天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

キンクロハジロ

横浜三渓園にて

 横浜の三渓園では、2月8日から3月8日までを観梅の期間としている。21日は午後二時から、神奈川県知事や俳優の船越英一郎が訪れるらしい。TBSの放送車が2台、午前中から収録の準備をしていた。
池にはキンクロハジロの大群が遊弋していた。これは鴨の仲間で、日本には冬鳥として渡来し、湖沼、池、河川などに分布する。文字通り目が黄色く、後頭部にある冠羽が特徴だが、寝癖みたいなのでネグセドリと言う俗称がある。嘴は灰青色。オスの体は黒く側面腹部が白。メスは全体が褐色。
観梅の客が次第に増えてきたので、そこそこに引き上げた。


      楠の木のさやぎは春のやどりかな
      石棺に椿が沈むにはたづみ
      葺き替ふる合掌造梅の花
      白壁や春の七草植ゑてあり


  煙吐く工業地帯の西空にはかなく霞む雪の富士山
  観梅の足をとどむる茶店にはだんご、おしるこ、
  あま酒、おでん


  遅咲きの梅にみどりの蘂立てり写生する人写真撮る人
  白壁に射せる朝日のまぶしさに影を濃くせり春の七草
  麩を撒けばキンクロハジロ群れきたり鯉が口開く水ぬるむ池
  餌もたぬわが近づけば背を向けてキンクロハジロみな
  去りゆけり