天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

新春の三渓園

横浜三渓園にて

 久しぶりに横浜三渓園に行ってきた。松の内ながら観客は少なく静かなもので気分が落ち着いた。水仙花はそこここに咲いていたが、梅については、月華殿の軒先に白梅が咲き始めている他は、見かけなかった。目白が小さな声で囀りながら飛び交っていた。
 園内に横笛庵という小さな庵がある。建礼門院徳子に仕えた女官横笛が滝口入道から貰った膨大な恋文で作られた紙の像が安置されていたらしいが現存しない。写真が案内板に載っているので、あったことは間違いなさそうだ。同様な像は、横笛が出家後に住んだといわれる奈良法華寺にも伝わっているという。三渓園との関わりが不明。もっと背景を知りたいのだが。


     あらたまの光まとへり水仙
     初春の梅の影さす茶筅
     軒先に白梅の花月華殿


  正月の三渓園をにぎはせて目白飛び交ふ松に椿に

  鯉にやる餌に寄りくる水鳥に「こないで」と言ふ
  をさな児あはれ


  水鳥のあまた憩へる池の面に役目終へたる葦刈小舟