天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

諸葛菜

北鎌倉・明月院にて

 ショカツサイはアブラナ科、中国原産。三国志諸葛孔明が出陣のさきざきでこの種子をまき、食糧となるように栽培したことからこの名がついた。花大根、紫花菜、大アラセイトウ などともいう。香りが強いらしいが、まだ嗅いだことはない。なお、例年は瑞泉寺の境内のものを紹介しているが、今回は明月院で見かけたものである。


      病室にむらさき充てり諸葛菜  石田波郷
      死のときも越前訛り花大根   熊谷愛子
      繭倉のほとり風呼ぶ花大根   鈴木蚊都夫


  この春の花大根は株ふえて庭一面はそれのむらさき
                     宮 柊二
  洗剤の泡がおし押せてくる岸に花だいこんの紫並ぶ
                     久保田登