天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

星ノ井

鎌倉・由比ガ浜

 鎌倉十井の一つ。極楽寺切通しを由比ガ浜の方向へ下ったところの道の左辺にある。星月夜の井、星月の井 などとも呼ばれた。その昔、この井戸の中に昼間も星の影が見えたことから、この名がついたといわれる。井戸の水は清らかで美味だったので、昭和初期まで旅人に飲料水として売られていたという。
 

  旅人に飲み水として売られゐし昭和初めの星ノ井の水
  星屑を水面に映ししづもれり昼なほ暗き星月夜の井
  星影を水面に映す井戸あれば汗して越ゆる極楽寺
  星ノ井の底ひに光る石あれば採りて祀りぬ虚空蔵菩薩