天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

紅葉狩―鎌倉長谷―

鎌倉・長谷寺にて

 この時期鎌倉で最もにぎわう紅葉の寺と言えば、長谷寺だろう。観光バスが次々に客を運んで来るし、生徒たちの遠足の場所にもなっているようだ。わが散策コースの一つなので、いつものように江ノ電極楽寺駅で降りて先ずは、極楽寺に入る。境内にの桜紅葉はもはやなく、冬の日差にあっけらかんとしていた。次に成就院に行く。この境内も千両の実を見るくらいで静寂に包まれていた。石段の上からは、由比ヶ浜に打ちよせる冬の白波が際立って見えた。星ノ井通りの力餅屋に寄って力餅を一箱買ってから、権五郎神社に行き境内の銀杏を眺めた。雌雄が寄り添って見事な黄葉を付けていた。それから長谷寺に入る。境内の木立の紅葉はまさに見頃といった情景。ひたすらデジカメのシャッターを押した。その後は裏の光則寺へ廻る。土牢の横手の木立の黄葉が冬の日差しに輝いていた。


     参道は日陰になりぬ石蕗の花
     子生石(こうみいし)円きがふたつ実千両
     霜月や力餅屋に求肥買ふ
     銀杏ちる下に二つの力石
     景政をきたへし石や銀杏散る
     長谷寺の階にぎはせる紅葉かな
     長谷寺はライトアップの紅葉かな


  長谷寺に行く道すがら饅頭と力餅買ふ星ノ井通り
  景政をきたへし石に餅供へ配りし故に力餅とぞ


 藤沢駅に帰ってきて鰻の宮川に入り、遅い昼食に「ひつまぶし」をとった。以前はよく鰻丼を食べに来ていたが、しらす鰻の激減と鰻の価格の高騰ですっかりご無沙汰していた。うまきや酒も注文するので、一人四千円近くになってしまう。