天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

山茱萸(さんしゅゆ)

鎌倉・長谷寺にて

 ミズキ科の落葉高木。中国と朝鮮半島が原産地。日本には江戸中期に薬用として種子が渡来した。強壮、めまい、耳鳴り、インポテンツ、遺精、頻尿、老人の夜尿症などに効く。「春黄金花(はるこがねばな)」という別名もある。秋にはグミのような赤く熟した実がなり食べられる。これには秋珊瑚という名がある。茱萸はもともとグミのこと。



      山茱萸の花のこぞりて黄を凝らす 塩川雄三
      山茱萸の花影あそぶ弥陀の膝   水野すみ子


  山茱萸の花にあかるき春の陽のうらなごはしもふるさとの道
                      安田章生
  さんしゆゆは八十一個の花もつと風邪の癒えたる妻が数へつ
                      川辺古一
  頭疲れ出でこしゆふべデパートの花屋に咲ける山茱萸の花
                      柏崎驍二