天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

花韮

東海道(藤沢)遊行寺坂にて

 ハナニラ南アメリカ(メキシコ、アルゼンチン、ウルグアイ)原産、ユリ科の球根植物。明治中期の渡来した。鉢植、花壇に群植するのに向いている。紫色花をつける園芸品種もある。実生、分球でふやす。葉にはニラやネギのような匂いがある。野菜のニラと同じユリ科の植物だが、属が違う。葉と違って、花には甘い芳香がある。植えたままにしておけば、自然分球で四方に広がってゆく。写真の花は、遊行寺坂の土手で見かけたものだが、近所の家で庭に植えていたものが、時代を経て広がったものであろう。


  ひさびさの日の目も須臾の寒き曇り地を掩ふ花は今年花韮
                     小市巳世司
  仕合せはなべて君より来る日々に花ひらきゆく花韮の道
                     近藤とし子