天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

蕗の薹

三内丸山遺跡にて

 キク科フキ属。雄花と雌花が別々に咲く雌雄異株。早春の香りは、蕗の薹の天麩羅を食べて楽しむ。花茎はしだいにのびて包葉をひろげ、茎頂に頭花をつける。


  垣の外に出づるもおのづから稀にして
  今日見るは隣の蕗の花立ち   土屋文明
                         
  蕗の薹てのひら青む光さしたのしき土に
  遊ぶひととき         坪野哲久
                         
  蕗のたう軽きを一つ立春の天づたひにて送る
  ドイツに           植木正三
                         
  日のあたるこまかき土をもとめてはひらききりたる
  蕗の薹ふたつ         小池 光