天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

野紺菊

鎌倉・東慶寺にて

 キク科の多年草で野菊の一種。本州から九州の山野に、8月から11月にかけて、淡青紫色の舌状花と中心に黄色の筒状花を開く。彼岸花のような派手な花が枯れ果てた後の山野に清楚に咲いている。



  野紺菊殖ゆるを疎み抜きたるに思はずも咲く
  三四年経て           佐藤志満
                       
  つつぬけに虚心を揺する野紺菊沁みるひかりに
  わが癒されて          牛山ゆう子
                       

 なお関東から東北地方の太平洋側の海浜には、ハマギクが咲く。


  黄を囲む花弁(はなびら)白き朝光(あさかげ)の虫ひきよする
  浜菊の花