天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

大山寺の枯紅葉

大山寺にて

 NHKで紹介されたので、行くのをあきらめた、と先日言ったばかりだが、どうもあきらめきれなくて時期はずれたが行ってみた。夜のライトアップは、11月21日から29日までであったので、観光客の数は少なかった。すでに紅葉の盛りを過ぎ、色は褪せて散り始めていた。ただ、周辺の山々には紅葉・黄葉が混じって、まさに山装うという情景で、見ごたえがあった。


      足裏(あなうら)に紅葉やさしき女坂
      みな祈る紅葉の下の童子
      鹿出づる山路なるらし紅葉散る
      朱の果てに枯れて丸まる紅葉かな
      常緑の樅の木立に紅葉見ゆ


  体力の限り知りたる女の坂の足裏(あうら)にやさしもみぢ敷く道
  真鍮の柄杓光れり女の坂の紅葉かかれる弘法の水
  罅入りし潮音洞の道祖神肩寄せ合ひて潮の音聞く