天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

炭焼き

炭焼窯(舞岡公園にて)

 冬の暖房用に炭を焼くのだが、薪には樫、楢、橡などが使われる。最近では、こうした炭は、家庭で使われなくなったので、身近に炭焼きの情景を見ることは難しい。


  炭がまの烟一すぢ雲に入りて鳥が音もなし湖(うみ)添の山
                         佐佐木信綱
  炭竈をのぞきて我はあかあかと照り透りたる炭木を見たり
                         斎藤茂吉
  生き死にのなべては山につながれど炭を焼きかつて富みしをきかず
                         宮脇臻之介