光(5)
宗教において、光は超越的存在者の属性を示すものであった。例えば、仏像における光背がそのイメージである。そして仏教では、光は仏や菩薩などの智慧や慈悲を象徴するものとされる。またキリストの絵画では、頭の後ろに光輪が描かれている。
春ここに生るる朝の日をうけて山河草木みな光あり
佐佐木信綱
噴水が輝きながら立ちあがる見よ天を指す光の束を
佐佐木幸綱
光さへ身に泌むころとなりにけり時雨にぬれしわが庭の土
島木赤彦
光とは仰がむものか身に浴びて誇らむものか地なるひとり子
相馬御風
差しそめし光はいまだなじまねばおのづから赤し嶺の石原
山口茂吉
秋分の日の電車にて床にさす光もともに運ばれて行く
佐藤佐太郎