天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

宿り木

小田原市下曽我・宗我神社にて

 ヤドリギ、寄生木とも書く。ホヤ、ホヨ、ホイ、トビヅタなどとも言う。落葉樹に寄生するヤドリギ科の常緑寄生植物で、北海道から九州、朝鮮・中国に分布する。根は寄生する木の梢に食い込み、養分を吸い取って繁殖する。大きな瘤を作る。早春、黄緑色の小花を開く。寄生の対象には、サクラ、ブナ、ケヤキミズナラ、コナラ、エノキ、 ヤマナシ、クリなどがある。


  あしひきの山の木末の寄生(ほよ)取りて挿頭(かざ)しつらくは
  千年寿(ほ)くとぞ           万葉集 大伴家持
        
  おしなべて湖(うみ)昏るるとき寄生木の食ひ込みて立つ榛の幹
  は見ゆ                 真鍋美恵子


  宿り木の青みわたれる森を行くつめたき陶の卵を持ちて
                      大西民子