ザクロ科の落葉高木で、インド北西部からイランが原産。高さは7、8メートルにもなる。
インドには、釈迦が鬼子母神に子供の肉の代わりにザクロを与えたという伝説がある。漢名では、石榴(せきりう)。実ざくろ。
いと酢(す)き赤き柘榴をひきちぎり日の光(て)る海に投げ
つけにけり 北原白秋
嚙みて吸ふ酸味鮮紅 柘榴(せきりう)を吐きすてて鬼子母の
味覚を知らず 斎藤 史
怨念のしたたる朱にざくろ咲き女(をみな)は一人棲む門閉す
富小路禎子
長かりしわが昏々を照らすごと柘榴(ざくろ)は朱(あけ)の花の
満ちたり 木俣 修
柘榴の花の咲きたるを言ふ夕の雨に濡れつつ帰り来たりし妻が
林田恒浩
通学路一本裏のみちのべにさはなる花をはぐくむざくろ
小池 光