天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

炎暑

江ノ島にて

 朝から猛暑の江ノ島を歩いていたら、急な石段の上り下りが祟って気分が悪くなり吐きそうになった。明らかに熱中症だ。汗を拭いても木蔭に入っても一向に良くならない。俯けばさらに吐き気をもよおす。思い切って石段に仰向けになり、胸まではだけてみた。すると不思議にすーと楽になってきた。汗の量は相当なものらしく、少少の水を飲んだくらいでは体温は下がらないらしい。帰路で入ったスーパーやバスの冷房が有難かった。


     釣竿が岩場にしなる秋あかね
     地にふれて秋鯖跳ぬる島の朝
     炎帝を背負ひて坂に倒れたり
     猫もゆく遊行通りの片蔭を


  二尾釣れて一尾地に摺る秋鯖の跳ねて光れる朝の江ノ島
  岩なめて殻つよくせるまひまひが蓋してこもる炎暑の葉蔭