カマキリ目の昆虫の総称。漢字では螳螂(とうろう)を当てる。鎌虫、蠅取虫、疣虫(いぼむし)、疣じり、疣むしり などの呼び名もある。
うつせみのわが息息(そくそく)を見むものは窗(まど)にのぼれる
螳螂(かまきり)ひとつ 斎藤茂吉
おとろへしかまきり一つ朝光(あさかげ)の軌条のうへを越えん
としをり 宮 柊二
夜の部屋に螳螂ひとつ迷ひきてふとキリストの顔をもたげぬ
高松秀明
螳螂のぎりぎり荒む一瞬の美しければわが日日を恥づ
小中英之
にんげんの部屋に夜更けて入らんとす汝も寂しき冬のかまきり
三宅千代
うちふして動かずなりし螳螂はとほき土星のくらき眼をなす
山本鳩世