天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

菜の花

丹沢を望む(吾妻山山頂にて)

地震お見舞い]まだまだ余震が続くので、十分気をつけましょう。わが家でも棚の皿やガラス器が落ちて壊れました。本棚が倒れないように手で押さえていました。


 アブラナ科アブラナ属の花。香川県高知県、千葉県、三重県などでは、食用の生産が盛んである。ビタミンCやミネラルが豊富。従って、調理にあたっては茹ですぎないこと。胡麻を少し振りかけてポン酢で食べるのが好きだ。


  暗澹と菜の花の黄に降りそそぐ音なき昼の時はすぎゆく
                      松坂 弘
  行きて逢ふ人はなけれど安曇野の菜の花畑ひとり恋ふなる
                      松坂 弘
  振りむけばなくなりさうな追憶の ゆふやみに咲くいちめん
  の菜の花                 河野裕子


  過ぎゆきてふたたびかえらざるものを なのはなばたけ
  なのはなの はな            村木道彦


  悲しみの少なき場所よ妻と立つ菜の花のなか口笛を吹く
                      岩井謙一


 何度か紹介したが、神奈川県二宮町吾妻山の頂上では、昨年の暮から咲き始め、現在もまだ咲いている。


     菜の花やかなたに雪の塔ケ岳


  弥生はや半ばとなれどまなかひの箱根の山に雪のこる見ゆ
  軒先に「本日入荷」の札さがる鯵、鰤、槍烏賊、金目に蜆
  事あらば国を守るとけふもまた富士の裾野に大砲を撃つ
  菜の花の吾妻山にもつたはれり富士の裾野の砲撃の音
  馬手に富士弓手に大山つらなれる丹沢山塊雪かむる見ゆ
  神山のひだりに続く駒ケ岳、上二子山、下二子山
  三月の朝日に雪のかがやける富士と箱根と丹沢山
  菜の花の風にそよげる吾妻山寒緋桜は咲きただれたり