天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

立春の吾妻山

二宮町吾妻山にて

 今年は立春になって初めて二宮町の吾妻山に登った。斜面には水仙が咲き匂い、頂上には菜の花が満開であった。いつものように菜の花とかなたの雪の富士をカメラに納めた。吾妻神社から左手の道を下りてくると小枝に地味な色の小鳥が止っていた。尾をを上下させた後、直に飛び去った。何の鳥かと一瞬考えたが、鶯だと気付いた。


     立春のひかりまぶしむ朝寝坊
     春立ちて楠の木影の濃くなりぬ
     クレーン車の眠り短し春立ちぬ
     菜の花と富士を見に来し吾妻山
     水仙や犬に引かれて吾妻山
     菜の花やかなたに富士の雪景色
     吾妻山河津桜のつぼみなる
     うぐひすのたまゆら止る小枝かな
     鶯と気付けばじきにとび去りぬ
     立春のからす糞する木末かな


  胸突きの石段のぼり辿りつく山の頂き菜の花畑
  立春の吾妻山には人集ひ咲きそろひたる菜の花を見る
  菜の花の咲く頂きに腰下ろし富士をながめて弁当開く
  とりが鳴く吾妻神社の境内に河津桜のつぼみあからむ