天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

鰐(わに)

伊豆熱川ワニ園にて

 爬虫類ワニ目の総称。アリゲータ科とクロコダイル科の二種に大別される。23種ほどが地球の熱帯、亜熱帯の淡水ならびに入江付近に生息する。6500万年前の中世代末には、現生種をすべて含むワニが現れた。眼に瞬膜がある。卵生。なお、わが国では、古くは鮫(サメ)類をワニと呼んだ。


  眼にちかく子鰐よちよち匍ひのぼり鰐はしづかにまぶたを
  閉ぢぬ                  橋本徳寿

                        
  しびれ蔦河にながして鰐を狩る女らの上に月食の月
                       前田 透
  千年も眠りし顔の大鰐が観客に見られ目をあけ又閉ず
                       前田 透
  春きざす夜の檻の中身じろがぬ鰐はまばたく合図のごとく
                      松田みさ子
  大正某年日本に来る大鰐のゐて人生をわらふがごとし
                      小野興二郎