キク科の多年草。多くは秋に開花するが、野薊は春から夏に開花し、鬼薊は初夏から秋に開花。俳句では春の季語になっている。
薊濃し磐余（いはれ）の道と聞きしより
八木林之助
くらき夜の大寺を吾が出でくれば薊の花に稲妻のしつ
川田 順
ここを過ぎれば人間の街、野あざみのうるはしき棘ひとみにしるす
塚本邦雄
山の薊すこやけくして葉の鋭し痛みしばらくすがすがしかり
石本隆一
きつねあざみ群がる中をよぎりきて何かがさむしわが足音も
生方たつゑ
人知れず咲くゆゑうれしむらさきの色冴え冴えと薊花群
来嶋靖生
光芒の如き薊を手に持てり海に続ける曇天の道
河野愛子
