天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

みんみん蝉

わが家にて

 セミ科の昆虫。日本の特産種で北海道南部から九州にかけて見られる。寒冷地に多いという。幼虫は約7年間を地中で過ごす。


  あかつきにみんみん蝉の競ふこゑ今日は今日する
  仕事をぞ思ふ            土屋文明


  草よ木よ人も従へ黙れよとみんみんいよいよ力
  入れて啼けり           前川佐美雄


  みんみんはあたりを圧(お)さへ啼き澄めば夏草の
  なか従ふほかなし         前川佐美雄


  みんみんの「み」までを鳴いてなきやみし蝉がこの
  木のてっぺんに居る         井川京子


  みんみんもつくつく法師も間遠なる欅青葉を風わたりゆく
                     山村泰彦