2011-12-07 敗荷 「やれはす」と読む。風で吹き破られた枯れ蓮の葉のことである。敗荷の広がった池の様子は、刀折れ矢尽きた荒涼たる戦場の跡を彷彿とさせる。俳句では秋の季語。「破れ蓮」とも書く。 敗荷の風いろいろに吹きにけり 岸田稚魚 羽ばたけるもの敗荷の水をうつ 清崎敏郎 敗荷となりて水面に立ち上がり 高山由美子 茎折れて水にうつぶす枯蓮の葉うらたたきて秋の雨ふる 橘 曙覧 ありのまま素枯れし蓮のすさまじさ茎みな折れて萼は水漬く 葛原 繁